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碁盤忠信―(ごばんただのぶ)。

 

時は、鎌倉の初め。 

 

兄である源頼朝に謀反の疑いをかけられ

追われる身となった源義経は奥州へ逃れようと

一行と共に、奈良の吉野山に差し掛かる。

 

すると、頼朝の刺客である横河覚範の襲撃に遭い、

忠信は主君・義経の鎧を借りて義経に成り代わり、

碁盤を手にして討手を蹴散らしたという物語。

 

盛岡の山車では、この伝説が歌舞伎に取り上げられた姿を飾る。

 

市川流の荒事に仕立て、元禄時代に上演されたとあり、

明治44年には、七世松本幸四郎の襲名披露に演じられたと

伝わるものである。

 

本年、「碁盤忠信」はこの盛山會さ組と中野橋通 の組から

重複して出されたが、衣装の雰囲気や飾りつけなどの違いで

全く見せ方が異なり、盛岡山車の演題の多様性を垣間見られる

ものとなった。

 

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時は鎌倉の初め。

初音の鼓を手にする源義経の忠臣・佐藤忠信。

 

しかし、その顔の隈取は獣のまゆに火焔隈。

実は、忠信の姿を借りた狐である。

 

親狐の皮で作った初音の鼓を授けられた源義経に恩を返すため、

佐藤忠信に化けて付き従っているのである。

 

その忠義を知り、感銘した義経は、この狐に自分の姓名である

源九郎を与え、この狐が静御前の供をしていく場面へと続いていく。

 

義経千本桜でも、一際華やかな「鳥居前」より、源九郎狐を再現している。

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