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原題は「楪根元曾我」といわれる、

市川家由縁の歌舞伎十八番の一つ。

 

正月、曾我五郎時致は父の仇である工藤祐経の顔を

思い浮かべながら身の丈ほどもある矢尻を研いでいる。

 

そこに、大薩摩主膳太夫が年始の挨拶に来て、

お年玉にと、宝船の絵を置いて帰る。

 

五郎時致は、砥石を枕にし、その下に宝船の絵を敷いて寝る。

すると、夢に出てきたのは兄の十郎祐成。

祐経の館に捕らえられているのだ。

五郎時致は驚き、飛び起きると、大太刀を取り身支度をする。

 

ちょうどそのとき、馬子の畑右衛門が馬に大根を積んで通り掛かる。

これ幸いと、五郎時致はその馬をひったくり、

積んであった大根を一本取るとそれを鞭に工藤の館へと飛んでゆく。

 

例年、「矢の根」と言えば、大矢尻を研ぐ五郎時致の姿か、

大矢尻を背に見得を切る趣向の山車が主流であるが、

本年の城西組は馬に跨り工藤の館へと向かう五郎時致を

初めて山車に飾った。

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紀州道成寺に伝わる安珍・清姫の伝説を歌舞伎に舞踊化。

 

舞台は桜が満開の道成寺。再興した鐘の供養が始まろうとしている。

 

そこに清姫の亡霊が白拍子となって現れ、舞を見せているうちに

鐘に飛び込み蛇体となって現れるが、押戻しによって屈服させられる。

 

この見返しは、花笠踊りの場面を再現したものである。

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