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成田屋由縁の歌舞伎十八番の内「解脱」より。

 

平家の荒武者として有名な藤原景清は、

清水観音に幾度となく守られてきたが、断食して死んだといわれる。

 

時は鎌倉時代初期。ある釣鐘供養の場に、景清の怨霊が現れ、

源氏の驕りを戒め、平家の供養を訴える。

 

そして、本願が成就したとき、それまで鳴らなかった釣鐘が

鳴り出したという物語。

 

この山車では、釣鐘の上で大見得を切る景清を、

「暫」の三升紋のアレンジをしながら飾っている。

 

歌舞伎十八番は「三升紋」を家紋の一とする市川家のお家芸であり、

このアレンジは「市川家」の三升紋であるため、

歌舞伎の場面として合致しているのではなかろうかと解することもできる。

 

いずれにしても、盛山會さ組の「歌舞伎十八番」への創意と

熱意を感じる飾り付けである。

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平成17年(2005年)は、

太平洋戦争終戦から60年の節目の年である。

 

命の尊さ、そして平和の貴さを再確認、

再発信しなければならない年でもある。

 

唯一、本土決戦のあった沖縄は悲劇の場だった。

ひめゆり部隊の壮絶な最期はその最たるものである。

この山車では、その鎮魂の意味合いもこめて、琉球人形を飾った。

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