戦国時代、羽柴秀吉は主君・織田信長を討った 逆臣・明智光秀を討伐すべく京に向かっていた。 光秀はこれを予期しており、秀吉の帰路に、四王天但馬守らを潜ませた。
尼崎に差し掛かった頃、秀吉が異変を察知し馬をとどめると、 四王天らが襲い掛かってきた。 秀吉は田の中の小道に逃げ込み、機転を利かせて、 乗ってきた馬の尻を切りつける。
これに驚いた馬は、追ってくる四王天ら目掛けて走っていったが、 四王天の一、白藤彦七郎が、その怪力で走ってきた馬を担ぎ上げ 田の中に投げ込み、更に秀吉を追ったのだった。
本年の山車では、怪力無双の白藤彦七郎と、その怪力によって 投げ飛ばされた馬の姿を飾っている。 |
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歌舞伎演目で人気の曾我物の一つ。
工藤祐経を父の敵とねらう曾我五郎時致は、 正月の宴席で兄十郎祐成が嬲られていると聞き、 兄を救うため家重大の逆沢潟の鎧をもって駆け出そうとする。
それを後見役を務める小林朝日奈(朝比奈三郎義秀)が 鎧の草摺を持って引き止める場面で、片肌脱いだ赤い襦袢には 五郎には鎌の絵と○と「ぬ」で「かまわぬ」と、朝比奈には鎌の絵と 「井」の字と枡の絵で「かまいます」と市川家由縁の洒落の効いた 演出がなされる。
この山車では、鎧を掲げて見得を切る五郎時致を飾っている。 |
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