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俗に歌舞伎十八番の内と呼ばれる、 成田屋(市川家)十八番のお家芸でも最も有名な演題。
一声と共に花道から登場し、義綱らを助けるという勧善懲悪の物語である。
本年は、い組と観光コンベンション協会が、それぞれ「太刀の見得」と 「花道下がりの見得」を再現しており、観光コンベンション協会の 花道下がりの見得は、悪を退治し、太刀を肩に担ぎ、 雄々しい様子で花道を下がる前の、鎌倉権五郎景政の姿を飾る。 |
(おののとうふう) 書の大御所として「三蹟」あるいは「三聖」の一人とも言われる。
道風は、ある時、自分の書の才能に大いに疑問を抱き、 悩みに悩んでいたところ、柳の葉に飛び移ろうと懸命に跳ねる 蛙の姿を見て、「いくら跳ねても飛び移れないものを 何度も繰り返すなど、蛙は愚かなものだ」と考えた。
ふと風が吹き、柳が揺れた瞬間に蛙が見事に柳に飛び移る様に、 「愚かなのは、蛙の努力を嘲笑った自分ではないか、 蛙は努力の結果、偶然を手に入れたのに、自分はそれほどの 努力をしているのか」と考えを改め、以降、書に対して 努力を惜しまなかったといわれている。
本年の山車では、若かりし道風が柳に飛びつこうと努力している 蛙をまさに見ている、「書聖」誕生前夜のその瞬間を飾っている。 |
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