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戦国時代の有名な合戦である川中島の戦いは、 甲斐を治めた武田信玄と、越後を治めた上杉謙信によって 実は十二年間に、五回も起こっている。
これを近松門左衛門が浄瑠璃にて、 「信州川中島合戦」と、近松半二の「本朝廿四孝」、 歌舞伎では河竹黙阿弥の「川中島東都錦絵」に脚色。
信玄と謙信の一騎打ちも、この脚色だといわれている。 |
歌舞伎「十種香」より。
本題は、戦国時代の上杉、武田家の対立が舞台である。 上杉謙信の息女である八重垣姫は、武田勝頼の許婚。 しかし武田勝頼が切腹(しかしこれは身代わりで、 箕作というのが本当の勝頼)したため、様々な問題が両家の間に起こる。
やがて、ある日上杉謙信の指示で、 箕作=勝頼は使者に立たされるが、討手を差し向ける。 絵姿の勝頼に似ている箕作に恋した八重垣姫は、それを知って 何とか危急を知らせたいと気をもむうち、 武田家の家宝・諏訪法性の兜を手に、勝頼の後を追う。
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