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原題は、「積恋雪関扉」(つもるこい ゆきのせきのと)。
常磐津節の歌舞伎舞踊で、
「重重人重小町桜」(じゅうにひとえこまちざくら)
の舞踊部分のみで構成されている。
舞台は、雪の逢坂の関。 冬にもかかわらず、桜が咲き誇る。
この桜は「小町桜」といい、先帝遺愛の桜だった。
この桜を守り、先帝の菩提を弔うため
関の近くに住む良峰宗貞(よしみねむねさだ)のもとに、
かつて恋仲だった小野小町が訪ねてくる。
そこに、仲を取り持とうとする関守の関兵衛(せきべえ)が登場するが、
小町は関兵衛の素性を怪しむ。
実は関兵衛の正体は、天下を狙う大悪人の大伴黒主(おおとものくろぬし)で、
小町桜を切り倒して護摩木にすることで、天下が懐に転ぶという占いの
宿願成就のため、その機会をうかがっていたのだ。
小町桜を切り倒そうと鉞を振り上げる大伴黒主だが、
全身が痺れて身動きが取れなくなってしまう。
そこに小町桜の精が現れ、大伴黒主の目論みは崩れてしまう、という物語。
本年の山車では、
宗貞の館に向かう小町と咲き誇る小町桜の
舞台序盤の情緒ある場面を飾る。
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