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歌舞伎十八番の内 助六(すけろく)。

原題は「助六由縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)。

 

 

歌舞伎の名門・市川家(成田屋)由縁の「歌舞伎十八番」の一つで、

この歌舞伎十八番の内で、過去最も演じられてきた演目である。

 

 

花川戸助六は、曾我五郎時致が吉原に通う仮の姿。

 

 

源氏重代の太刀「友切丸」(髭切)を探すべく、

様々な男の集まる吉原でわざと喧嘩を吹っかけ、

刀を抜かせようという目的があるのだ。

 

 

そこに、助六を情夫にする花魁・揚巻が登場。

 

 

揚巻に言い寄る「髭の意休」が友切丸を持っていることを知り、

助六は意休に刀を抜かせようと喧嘩を吹っかけるが、

なかなか刀を抜かない。


そうこうしているところに、白酒売りがやってくる。

この白酒売り、正体は助六の実兄・曾我十郎祐成で、

助六から事の顛末を聞き、共に刀を抜かせようと

見よう見まねで喧嘩を吹っかけるが、これまたうまくいかない。


 

暫くして、吉原から出てきた意休に、助六は悪戯を仕掛け、

ついに意休に刀を抜かせることに成功する。

その銘を見て、友切丸であることを確認した助六は、

源氏の敵として、ついに意休を討ち果たす。

 

 

意休を討ったことで追手に追われた助六は火防用の天水桶に飛び込み、

難を逃れるが、(この場面では、本当の水の中に役者が飛び込む、

歌舞伎でも少ない「本水」の場面である。)

天水桶から脱した助六は、緊張の糸が切れ、倒れてしまう。


 

そこに駆けつけた揚巻と追手。

揚巻は助六を自らの打掛の中に隠すと、

追手に対して「その棒の端がちょっとでも体へさわるが最後、

この五丁町は暗闇じゃぞやと見得を切り、追手を追い払う。

 

 

揚巻は、自らの帯に水を含ませ、助六に気付けの水を飲ませると

助六は正気を取り戻し、再会を約して別れるのであった。

 


「助六」は、これまで多くの組において演題として挙げられたものだが、

多くは蛇の目傘を掲げて見得を切る花道からの登場の場面や、

意休に見得を切る場面など、現在も多く演じられる

華やかな場面から取材しているものである。

 

 

しかし、本年の「の組」は盛岡山車史上初の試みであり、

大正期以降舞台でもあまり演じられていない

「助六の水入り」の場面を飾った。

 

 

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口上(こうじょう)とは、
主に歌舞伎の舞台等で演目を見せる前に行う挨拶のこと。
 
 
襲名披露、初春公演や地方公演、記念公演など
特別な舞台の際によく行われる。
本年の「の組」は、11代目 市川海老蔵の口上から、
「にらみ」の場面を山車に飾る。
 
 
口上の際に市川家が行う「にらみ」は、
邪気を払うといわれ、睨まれた観客には、
その年幸運が舞い降りるという謂れがあり、
風流の「助六」=市川家の得意演目との対比と、
の組20周年の記念の「口上」という二重の意味が含まれていた。

 

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