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菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)―。
平安時代に実際に起こった 菅原道真失脚事件をベースに、 二代目竹田出雲、三好松洛、並木千柳によって 歌舞伎・浄瑠璃向けに創作された物語。
「車引き」(車曳の場)は、この三段目である。
世に珍しい三つ子の梅王丸、松王丸、桜丸の兄弟は それぞれ時の権力者たる菅丞相(かんしょうじょう=道真)、 藤原時平、斎世親王の牛飼い舎人となるが、梅王丸の主である 菅丞相は流罪に、桜丸の主たる斎世親王は法皇の下に預けられ、 二人は主を失う。
この黒幕は、松王丸の主にして、 権力を意のままにしようともくろむ藤原時平だった。
失職した二人は、往来でばったり遭遇。 身の上話をしている最中に、時平の先達がやってきて 吉田神社への参拝のために道を開けろ、と言うのだった。
積年の恨みをここで晴らそうと、二人は時平の牛車を襲うが、 松王丸に阻まれ、途端に、牛車を挟んで押し問答になる。
松王丸と梅王丸・桜丸が牛車を曳き合ううち、牛車は大破し、 中から現れた時平のひとにらみで、二人はすくんでしまう。 兄弟は親の祝賀の席での再会を期して別れるのであった。
本年の盛山會さ組の山車は、牛車から現れた時平を背にして 見得を切る場面の松王丸と梅王丸の姿を飾る。
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南部家第14代当主・利剛公の妻・明子様は、 水戸徳川家・徳川斉昭の息女で、 徳川15代将軍・慶喜公の姉である。
盛岡にお輿入れした際、その居所を神子田町に作られ、 紫波稲荷を篤く信仰したと伝わる。
神子田界隈の町人からは、「荷姫(なりひめ)様」と大変評判を得たようで、 藩御取り潰しとなり、藩政が終了するまで神子田に住まわれた、
本年の山車では、盛山會さ組が神子田を拠点としていることから、 この神子田に所縁のある「荷姫様」の姿を飾る。
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