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近松門左衛門作の歌舞伎「博多小女郎浪枕 毛剃」から。

 

長門国・文字の沖合。毛剃九右衛門の船にて、

九右衛門の手下たちが酒を酌み交わしているところへ

親分の九右衛門が現れ、船客の小松屋宗七を呼びやり、

退屈しのぎに話をさせる。

 

宗七は自らの商いの話や、生まれ育った長崎の話をするうち、

博多柳町の小女郎という花魁と深い仲となり、夫婦の約束をかわしたと話す。

 

これを聞いた九右衛門はにわかに機嫌が悪くなり、宗七の話をやめさせる。

というのも九右衛門も小女郎の客であったからだ。

気まずくなった宗七が船室へ戻ったころ、艀が着いて珍しい異国の品々を運びこむ。

 

実は九右衛門たちは御禁制の抜け荷を扱う海賊だったのだ。

この様子を盗みみてしまった宗七やほかの客を、

九右衛門は海へ投げ込めと命じる。

 

ことがすむと九右衛門は、一人舳先にたって汐の流れを見つめ、

一方宗七は漂う小舟にしがみついて命びろいするという物語。

 

本年の山車では、船頭に身を乗り出し見得を切る九右衛門を飾る。

 

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江戸の庶民に流行した長編小説”合巻(ごうかん)”の中でも最長編の物語

と言われる「しらぬい譚(ものがたり)」から。

 

キリシタン大名として有名な大友宗麟の遺児・鈴白姫は、

山中にて大蜘蛛の精霊に命を救われ、その際に自分が

大友宗麟の忘れ形見であることや、仇である菊池貞行へ

復讐しなければならない天命を知り、本来の名前である「若菜姫」として、

身につけた妖術を駆使して菊池家と戦うという物語である。

 

 

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