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平安時代の謡曲である「羅生門」・「茨木」に謠われる物語。

 

 

源三位頼光が大江山の酒呑童子を退治した宴の席。

頼光四天王の一人・卜部季武が、羅城門には鬼が住んでいる、と語り、

同じく頼光四天王の一人である渡辺綱が、

「御所の総門にそのようなものが巣食えるはずがない」と言い放ち、

単身、真偽を確かめるべく羅城門に向かう。綱が羅城門に近づくと、

たちまち風が吹き荒れ、鬼が組み付いてきたので、綱は家伝の

重代の太刀を一振り振り下ろし、その怪力で鬼の腕を切った。

 

「おのれ、いずれその腕、取り戻してくれる」と消えていく鬼。

 

 

後日。所変わって、渡辺綱の屋敷。綱の乳母が顛末を聞き、

綱のもとにやって来る。切り落とした鬼の腕を見たいと綱に懇願し、

綱は、その腕を封印の箱から取り出して乳母に渡すと、

乳母の形相が変わり、みるみる羅城門で遭遇した鬼(茨木童子)に

変わっていった。鬼は、腕を取り返し、破風を飛び越えて、

空の彼方に消えていき、それ以降は姿を現さなかった。。。。

 

 

この山車では、綱の屋敷から腕を取り返して飛び立とうとする

茨木童子と、屋根の上で刀をかざす渡辺綱の姿を飾る。

 

実に、盛岡では昭和45年(1970年)三戸町 玉組の奉納以来、

47年ぶりに飾られた演目。

 

 

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鷺の精が人間の娘に姿をやつして踊る物語。

 

鷺娘は、しんしんと降る雪の中、傘を差して鷺娘が

佇んでいるところから始まり、あたかも雪の降るが如く、

男に恋い焦がれる己が心を謡う。

 

その後、恋い焦がれる心は叶わぬ望みとして恨みに変わり、

やがて今度は町娘の姿に変わって恋心を表現するものの、

最後はもとの鷺の精の姿に戻って、地獄の責の苦しさに

身を羽ばたかせていく、という謡曲舞踊である。

 

 

『鷺娘』という名の曲は歴史的には三曲あるが、

現在、『鷺娘』として上演されるのは、

この中でも最も古い曲で、二代目瀬川菊之丞が

『柳雛諸鳥囀(やなぎにひなしょちょうのさえずり)』

という六変化舞踊のひとつとして踊ったものである。

 

 

 

 

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