歌舞伎十八番の一つで、原題は「大銀杏栄景清」。
藤原景清は、平安末期から鎌倉初期の武将で、 俗に平景清とか悪七兵衛ともいわれる剛勇無双の 平家一の荒武者であった。
この「牢破り」の場面は、景清を味方につけようと 様々に画策する源氏が、景清の娘・人丸を責めようとしたため、 景清が烈火のごとく怒り、捕らえられていた牢屋の格子を ぶち破って暴れまわる荒事を見せる場面である。
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坂田怪童丸とは、俗にいう「金太郎」の通称。
相模国と駿河国の国境・足柄(現在の静岡県駿東郡小山町) に生まれた金太郎は、熊と相撲を取れるほどの怪力の持ち主で、 後に、鬼退治の武勇で名を馳せた源頼光の家来となり、 坂田公時(さかたのきんとき)を名乗る。
頼光四天王に数えられたほどの公時は、大江山の酒呑童子を 退治するなど勲功を上げた伝説が伝えられており、その伝説から、 古来、すくすくと成長する日本男児の象徴として今日伝えられている。
本年の見返しには、錦絵などに描かれる、坂田怪童丸の 化け鯉退治の姿を飾る。
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