風流は、歌舞伎演目「大江山」より。
一条天皇の時代、京の都には鬼が出没し、
多くの金銀財宝が奪われ、娘たちが攫われた
位の高い身分の娘たちも次々囚われるに及び、
ついに帝は剛勇を謳われた源頼光を召しだし、鬼の討伐を命じる。
頼光は、配下の平井保昌のほか、四天王と呼ばれた渡辺綱、
碓井貞光、卜部季武(末武)、坂田公時(金時)と鬼討伐の計画を練り、
石清水八幡、住吉神社、熊野権現にそれぞれ分かれて祈念した後、
山伏に変装して丹波と丹後の国境にある大江山へ向かった。
大江山には鉄の御所という館を構え、大勢の眷属を従えていたのが
酒呑童子という鬼の首領。
山中でさらわれてきた姫たちに出会った頼光一行は、
鬼の館に客人として入り込み、
神々から授けられた神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ。
神の意にかなったものが飲めば薬となり、
鬼が飲めば毒となるという酒)を飲ませ、
鬼たちが酔ったところをめでたく退治した、という物語。
か組が前回この演題を飾った59年前は、
当時の映画のポスターにもなった
盃を翳す酒呑童子だけを飾ったが、本年の山車では、
退治せんと構える頼光と、盃を翳して襲いかかる酒呑童子の
鬼気迫る場面にリメイクされて飾られた。 |