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現代の山車は、明治後期〜大正時代、昭和を経て確立された
「天・人・地・海」の定型に則って制作されております。
これは、山車が電線や高架の建設によって小さくなっていく中でもなお、
「絢爛豪華」にこだわった、祭を守る人々の苦悩の歴史の集大成であると思われます。
高さこそ明治の山車の半分、約4.5mですが、その分演題の人形が一回り大きくなり、
演題の迫力という意味では、明治期よりも進化しているのではないでしょうか。
そんな、300年の歴史の「集大成」が、「現代の山車」なのです。
※演題名・写真をクリックすると、拡大写真が見られますので、是非ご覧ください。
能舞台を模した松羽目物の大曲で、 獅子が我が子を断崖から突き落とす試練を取り上げた演目である。
舞台は天竺・清涼山。
狂言師の右近と左近が、獅子頭を持って現れ、 清涼山にかかる石橋の謂れや、清涼山の千尋の谷に巣食う獅子は 子を谷に突き落とし、登ってきた子獅子のみを育てるのだという物語を語る。
次に、この清涼山に、浄土宗の坊主と日蓮宗の門徒が登場。
文殊菩薩を求めて共に来たのだが、次第に異なる宗旨を巡って争ってしまう。
すると、恐ろしい物音と共に白毛の親獅子と赤毛の子獅子が登場し、 頭を振り回し、親子の「試練と情」を演じる、という物語である。
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「枯れ木に花を咲かせましょう」で有名な、おとぎ話の場面である。
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