平成12年度盛岡山車

盛岡市八幡町い組 風流  暫

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演題解説

鶴岡八幡宮にて、悪人・清原武衡に言いがかりをつけられた、加茂次郎義綱らが

襲われそうになったとき、歌舞伎界のヒーロー、鎌倉権五郎景政が「しばらく、しばらく」

の声とともに、花道より登場する、。歌舞伎の世界で最もポピュラーな演題である。

俗に成田屋と呼ばれる、市川家由縁の「歌舞伎十八番」であり、現在でも上演される。

見返し お小姓 弥生

歌舞伎「春興鏡獅子」より。江戸城大奥の大鏡曳きにおいて、

腰元・弥生が舞を舞う羽目になってしまう。最初は、恥らう弥生だったが、

次第に踊りにのめりこんでゆく。そして祭壇の獅子頭を持ったとき、その

獅子頭が勝手に動き出した。この獅子頭は、獅子の精を司るものだったのである。

獅子の精に憑依された弥生は、獅子そのものの姿になり踊り狂う。

この山車では、憑依される前、獅子頭を持って舞う弥生の場面を現している。

盛岡市前潟 わ組 風流  歌舞伎十八番の内 矢の根

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演題解説

曽我五郎時致は、父の仇である工藤祐経を討とうと計っていた。

正月、身の丈ほどもある矢尻を研いでいると、大薩摩主膳太夫が年始の挨拶に来る。そして、

お年玉にと、宝船の絵を置いて帰る。五郎は、砥石を枕にし、その下に宝船の絵を敷いて寝る。

すると、夢に出てきたのは兄の十郎祐成。工藤祐経の館に捕らえられているのだ。

五郎はびっくりして飛び起きると、大太刀を取り、身支度をする。

見返し  京鹿子娘道成寺

紀州道成寺に伝わる安珍・清姫の伝説を歌舞伎に舞踊化。

舞台は桜が満開の道成寺。再興した鐘の供養が始まろうとしている。

そこに清姫の亡霊が白拍子となって現れ、舞を見せているうちに

鐘に飛び込み蛇体となって現れるが、押戻しによって屈服させられる。

盛岡市浅岸 た組 風流 暫

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演題解説

鶴岡八幡宮にて、悪人・清原武衡に言いがかりをつけられた、加茂次郎義綱らが

襲われそうになったとき、歌舞伎界のヒーロー、鎌倉権五郎景政が「しばらく、しばらく」

の声とともに、花道より登場する、歌舞伎の世界で最もポピュラーな演題である。

なお、この「た組」は、五分団「よ組」の協力を得て、初参加の山車であった。

見返し 銭掛剣舞

盛岡市無形民俗文化財のひとつ。

その昔、八幡太郎義家が安倍貞任が守る高館を攻める際、敵の目をごまかすため、

十数名が踊りの服装で城内に入り、華やかに踊って敵が感嘆している間に、

見方を手引きし落城させたことから生まれたと言う。

盛岡市油町 二番組  風流  森蘭丸 本能寺の奮戦

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演題解説

天正十年(一八八二年)、織田信長は、西国攻めに苦戦する羽柴秀吉に合流するため、

京・本能寺にて陣を張った。同じ頃、家臣・明智光秀は、中国攻めと見せかけ、

「敵は本能寺に在り」と謀反を起こし、本能寺を取り囲んだ。

信長の小姓だった森蘭丸はこの折、明智方の武将、安田作兵衛と一騎打ちになる。

この山車では、その場面を現している。

見返し 南部梯子乗り

消防出初式には、直立した梯子に乗り、上で曲芸をする。

演目は[義経八艘飛び」である。

盛岡市加賀野 の組 風流 四つ車大八

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演題解説

歌舞伎「神明恵和合取組 め組の喧嘩」より。ほんの些細な出来事から、

江戸火消しと、大相撲の力士の喧嘩が勃発。

関取・四つ車大八も、その怪力を存分に発揮し、江戸の火消しとの大立回り

を演じる。なお、この事件、文化2年(1835年)実際にあった出来事だといわれる。

見返し  わんこ娘

盛岡名物として名高い、わんこそばを配る南部姉っこ。

「はいどんどん、はいじゃんじゃん」と、今にも声が聞こえてきそうな場面を飾る。

盛岡市仙北町 は組 風流 南部光武者

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演題解説

南部藩の重臣・北十佐衛門は、盛岡の豊かな財政作りに貢献した一人であった。

大阪冬の陣では、藩の密名を受けて豊臣方に加勢。豊臣氏滅亡後、責任を問われ

処刑された。南部家のために命を賭した悲運の武将である。

見返し からめ踊

南部は日本有数の金の産地で、産出された金・銀・銅を精選するために、

「絡める」という作業が行われた。当時の金山奉行が婦女子にからめる所作を

踊らせたのが今日の「からめ踊り」である。

盛岡市神子田 盛山會さ組 風流 菅原伝授手習鑑 車引きより 松王丸

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演題解説

歌舞伎「菅原伝授手習鑑」の三段目、「車引」より松王丸と梅王丸が見得を切る場面。

藤原時平が吉田神社の参拝の折、舎人として松王丸を供にしてやってくる。

松王丸の弟、梅王丸と桜丸はそれぞれの主人を陥れた時平の牛車に襲い掛かるが、

松王丸に妨げられる。

本来、これに梅王丸が付くパターンが定番だが、今回は松王丸の一体物だった。

見返し 女車引き 千代

菅原伝授手習鑑 車引きの女版。それぞれ、松王・梅王・桜丸の妻である千代・春・八重

に置き換えられている。今回は、表の松王丸に対応させ、千代を飾った。

社団法人 盛岡観光協会 風流 鏡獅子

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演題解説

歌舞伎「春興鏡獅子」より。江戸城大奥の大鏡曳きにおいて、

腰元・弥生が舞を舞う羽目になってしまう。最初は、恥らう弥生だったが、

次第に踊りにのめりこんでゆく。そして祭壇の獅子頭を持ったとき、その

獅子頭が勝手に動き出した。この獅子頭は、獅子の精を司るものだったのである。

獅子の精に憑依された弥生は、獅子そのものの姿になり踊り狂う。

この場面は、弥生に憑依した獅子の精が、踊り狂う場面を現している。

見返し 流星

織姫と彦星が年に一度だけ出会える天の川。そこに、流星が雷夫婦の喧嘩話をしに来る。

その内容は、喧嘩の仲裁に入った婆さん雷が、押しつ押されつするうちに入れ歯をのどに詰まらせ、

倒れてしまう。夫婦が必死に介抱した結果、入れ歯が咳と共に飛び出て回復し、一同笑って落着という

ものである。この山車では、流星が五色の雲にのって去る場面を飾っている。

 

 

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